銀地金をはじめとする銀投資の魅力とは?メリットや投資する際のポイントについても解説
「銀地金の魅力ってなに?」「銀投資を検討していることでメリットや投資方法について知りたい」といったお悩みを抱えていませんか?
今回は銀地金をはじめとする銀投資の魅力についてご紹介します。
銀について
銀は原子番号「47」、元素記号「Ag」、英語表記は「silver」で、周期表では金・同と同じく11族に分類される貴金属です。銀の代表的な物理的性質としては以下が挙げられます。
- 金に次ぐ展延性を誇り加工しやすい
- 金属中で最も熱伝導率が高い
- 赤外線反射率が金に次いで高い
- 金属の中で最も電気を通しやすい
- 常温時効
- 電子ボルトが小さい
また、化学的性質として、硝酸・熱濃硫酸・シアン化合物に溶解する「溶解性」、大気中の水分に含まれるオゾンや空気中の亜硫酸ガス・硫化水素と反応して黒に変色する「硫化作用」を有しています。
銀の歴史
銀が人類史に登場したのは紀元前3000年頃であり、貴金属としては非常に長い歴史を持っています。美しい輝きを持っていることから、古くから宝飾品や貨幣、銀食器の原料として使用されてきました。
現在では手軽に購入できる銀食器ですが、昔は王侯貴族・富裕層が用いていました。上流階級の人々が銀食器を使用していた理由の1つとして考えられているのが、毒物混入のチェックです。
銀には硫化水素などに反応して黒色に変色する「硫化作用」と呼ばれる化学的性質を有しています。そのため、食品に毒物が仕込まれていた場合、食器の変色によって毒物の購入を察知できるから銀食器を使用していたといわれています。
また、銀は元々、金よりも高い価値を持つ金属でした。銀の生産量が増加するにつれて、価値は低下しましたが、それでも金と同等に扱われており、完全に銀の価値が金の価値を下回ったのは16世紀に入ってからです。
銀の用途
銀の代表的な用途は次のとおりです。
- ジュエリー・宝飾品
- 銀食器
- 銀地金
- 銀貨
- 工業製品の原料
上記のうち、工業用途が需要全体の約54%と最も高いです。ジュエリー・宝飾品や銀食器のイメージが強い銀ですが、意外にもこれらの用途での需要はそれぞれ2割程度しかありません。
また、銀をそのまま保管していると、硫化作用によって黒く変色してしまいます。そのため、銀地金を保有する場合は外気に触れないようにするなどの対策が欠かせません。
銀の産出国
銀の主な産出国は、メキシコやペルーをはじめとする中南米と中国です。産出量が最も多いのは、メキシコで2020年の産出量は約5,540トンでした。
次いでペルーが約3,400トン、中国が3,300トンとなり、この3ヶ国で世界の銀産出量の半分を占めています。
銀地金は不足している
地金とは貴金属の塊のことで、インゴットやバー、のべ棒ともいいます。つまり、銀地金は銀で作られた地金のことをいい、銀の塊のことです。
新型コロナウイルスの流行や、ロシアのウクライナ侵攻などによる世界的な景気後退、中国の軍事力増強に伴う米中対立の激化といった懸念から、貴金属投資が注目されています。安全資産として金が買われ、価格が上昇する中、銀投資にも注目が集まるようになりました。
その結果、銀地金の急激な買い占めが発生し、銀地金が不足する事態となっています。
銀投資について
銀投資とはコモディティ投資の1つで、銀を購入し値上がり益を狙う投資方法です。例えば、価格が80円の時に銀を購入し、100円まで値上がりしたタイミングで売却すれば、20円の利益を得られます。
一方、価格が80円の時に銀を購入し、60円まで値下がりしたタイミングで売却した場合は、20円損失をすることになります。
コモディティ投資とは?
コモディティとは、日本語では「商品」を指す言葉です。つまり、コモディティ投資はコモディティ(商品)を対象とした投資方法となります。
コモディティの種類は次の3種類です。
- 貴金属:金や銀、プラチナ、銅など
- エネルギー:ガソリンや天然ガス、原油など
- 農作物:小麦、大豆、とうもろこし、ゴムなど
上記だけでなく、肉や砂糖、米なども農作物としてコモディティ投資の対象となっています。
銀投資の方法
銀投資の方法として次の3つが挙げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.現物取引
現物取引とは、銀を購入し、現物を自分で保管する投資方法です。銀地金の現物を自身で保管している場合は、この現物取引に該当します。
現物取引のメリットは、実際に銀を保有できるため、安心感を得られるという点です。また、宝飾品として購入すれば実際に身に着けられる、自身の好きなタイミングで売却できるといったメリットもあります。
一方、現物取引のデメリットは、実際に保有しているため、盗難などのリスクがある点です。盗難リスクを低減しなければならないため、管理の手間がかかることを考慮しておかなければなりません。
2.CFD取引
CFD取引とは、商品や株式、先物といった金融商品の差金決済を行う投資方法です。現物取引のように銀を保有・売却するといった現物売買を行わないのがCFD取引の特徴です。
CFD取引のメリットとして次の2つが挙げられます。
- 売りでも取引ができる
- レバレッジをかけられるため、資金が少なくても大きな取引が行える
現物取引の場合、価格が値上がりしなければ利益は得られません。しかし、CFD取引の売り取引であれば、売りポジションによって、価格が下落した場合でも利益を得られるため、利益を得るチャンスを増やせます。
また、レバレッジによって大きな取引を行うことで、大きな利益を得ることも可能です。
一方、CFD取引のデメリットは、レバレッジをかけて大きな利益を得られる分、同様に損失額も大きくなる点です。大損を避けるためには、資金管理をしっかりと行う必要があります。
3.投資信託・ETF
投資信託とは、資産運用の専門家に銀投資を任せる方法です。ETFも投資信託の1つですが、こちらは上場投資信託と呼ばれ、禁輸商品取引所に上場しており、日経平均株価や東証株価指数といった指標と連動するように運用されます。
投資信託・ETFは少額から取引が行える、資金を投入して専門家に運用を任せられるため、投資初心者でも気軽に投資が行えるのがメリットです。
その一方で、運用コストがかかるといったデメリットがあります。
銀投資の魅力が高まっている3つの理由
銀投資の魅力が高まっている理由として次の3つが挙げられます。
- 価格が安い
- 上手くやれば利益を得やすい
- インフレに強い
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.価格が安い
銀の価格は2023年5月時点で1gあたり110円程度です。一方、金の価格は2023年5月時点で1gあたり9,700円台となっています。
金投資をするためには、1万円以上の資金を用意しなければなりませんが、価格が安い銀であれば少額からでも投資が可能です。
2.上手くやれば利益を得やすい
銀は金と比較して価格変動が大きい分、相場が乱降下しやすいといった性質があります。
つまり、上手く投資すれば、短期間で多くの利益を得やすいということです。
3.インフレに強い
銀はその多くが工業製品の原料として使用されているため、インフレによって物価が上がれば、銀価格も上昇しやすい傾向にあります。現在の世界情勢は、新型コロナウイルスによる経済停滞や、ロシアのウクライナ侵攻などでインフレが加速しています。
インフレが加速していることも、銀投資の魅力が高まっている理由といえるでしょう。
銀投資を行う際の押さえておくべき3つのポイント
銀投資を行う際のポイントとして次の3つが挙げられます。
- 損失を被りやすい
- インカムゲインが発生しない
- 景気変動・産出国の経済状況に左右されやすい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.損失を被りやすい
前述のとおり、価格変動が大きい分、利益を得やすいのが銀投資のメリットです。ただし、
多くの利益を得やすいということは、反対に損失してしまうリスクもあります。
したがって、銀投資をする際は利益だけでなく、損失にも目を向けて資金管理などをしっかりと行うことが大切です。
2.インカムゲインが発生しない
インカムゲインとは、資産を持つことによって得られる利益のことです。株式投資であれば「配当金」や「株主優待券」、不動産収入であれば「家賃収入」が該当します。
銀投資の場合、銀を保有しているからといって、インカムゲインは発生しません。銀自体が何かの役割を果たしているわけではないからです。
したがって、インカムゲインを狙った投資を行うとしている場合は、銀投資は適していないため、注意が必要です。
3.景気変動・産出国の経済状況に左右されやすい
景気変動・産出国の経済状況に左右されやすいのも、銀投資における注意点の1つです。インフレに強い銀は、インフレ時には資産価値が上昇しますが、デフレになると資産価値は下落します。
次に産出国の経済状況です。銀の主な産出国であるメキシコやペルーなどの国々は、政治・経済情勢の変動が大きい国であるため、銀の価格も変動しやすいといった側面があります。
銀の価格相場
銀の価格推移
銀価格は2012年~2019年までは下落し続けていましたが、2020年から急激に価格が上昇しました。銀価格が上昇した1番の要因が、新型コロナウイルスによる感染拡大です。
銀は工業製品の原料としての需要が高い金属であるため、コロナショックが銀価格に影響を与えたといわれています。ただし、上昇後は銀価格の推移が落ち着き、2022年4月からは銀価格は急落しました。
急落した要因は2つ考えられます。1つ目が新型コロナウイルスの規制緩和による経済の正常化、もう1つがアメリカの政策金利引き上げです。
金利が上昇すれば、市場に出回る通貨の量が減少するため、景気の伸びが弱まり、銀価格の低下を招くからです。ただ、政策金利は引き上げが続いているものの、2022年10月以降、銀の価格は再び上昇し、2023年5月には前年4月の価格水準に戻りました。
これは経済活動が少しずつ拡大し、雇用も増加しており、インフレ率が高いままだからと考えられます。しかし、銀の価格は「工業分野での需要」や「産出国などの情勢」などによって、大きく変動します。
また、銀行破綻が相次ぎ、利上げ慎重論が出ていますが、アメリカの金融政策次第では更なる利上げを敢行する可能性もゼロではありません。これらの動向も含めて注視していく必要があるでしょう。
金投資との違い
金投資との違いは大きく分けて次の2つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
購入価格
金の価格が2023年5月時点で1gあたり9,700円程度であるのに対して、銀の価格は118円程度と金のたった1.1%に過ぎません。価格差が大きい要因として挙げられるのが「供給量の違い」です。
金の供給量は2021年までで約4,695トンですが、銀の供給量は約3万2,800トンと約7倍の差があります。この供給量の差などが価格に影響しています。
価格の変動幅
金は価格が比較的安定しているのに対して、銀は価格変動が激しいです。銀は金よりも多く流通しています。
しかし、価格は金よりも圧倒的に安く、市場規模は小さいです。そのため、投機マネーなどが市場に流入すると、一気に価格が動きます。
銀投資と金投資どちらがよいのか?
銀投資と金投資はどちらがよいのか、これは投入できる資金や投資スタイルなどによって異なります。例えば、短期的に大きな利益を得たい、投資に使える資金が少ないということであれば、低価格で購入でき、価格の変動幅が大きい銀投資がおすすめです。
一方、まとまった資金があり、長期的に保有してじっくりと資産形成をしたいのであれば、価格の変動幅が小さい「金投資」がおすすめです。ただし、金も所詮は貴金属であるため、金以外に投資可能な貴金属が生まれると、金価格が暴落する可能性があります。
そのため、長期保有が必ずしも安全というわけではありません。銀投資・金投資ともリスクがあることも考慮しておくことが大切です。
まとめ
銀地金をはじめとする銀投資の魅力についてご紹介してきました。世界的な景気後退や米中の対立激化などが要因となり、貴金属が注目されています。
貴金属投資といえば金というイメージが強いですが、世界各国でインフレが加速したことを背景に、銀投資にも注目が集まっています。銀投資は「資金だけ投入して運用は専門家に任せたい」「銀地金を購入して手元に置いておきたい」など、ご自身に合った方法で投資が可能です。
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