銀地金で資産形成をするメリットとは?概要や投資時の注意点についても解説
「銀地金を購入したいけどどこで買えるのかわからない」「金投資が一般的だけど、銀地金で資産形成をするメリットってあるの?」といったお悩みを抱えていませんか?
今回は銀地金で資産形成をするメリットや概要、投資時の注意点をご紹介します。
銀地金とは?
地金とは「バー」や「インゴット」、「のべ棒」ともいい、貴金属の塊のことです。つまり、銀地金とは銀で作られた塊のことを指します。
資産として購入・所有するのが一般的な金地金とは異なり、銀地金は産業・工業用の材料として用いられるのが一般的です。ただ、近年は金よりも低価格、インフレ対策につながるなどの理由から銀地金の需要も増えつつあります。
銀地金の刻印
銀地金の刻印とは、地金に刻まれた情報のことです。銀地金には一般的に次の4項目が刻印されています。
- 精錬業者の商標マーク
- 純度(品位)
- 重量
- インゴットナンバー
上記のうち、精錬業者の商標マークは、地金の信頼性の現れです。特に「グッド・デリバリー・バー」が刻印されている地金は、ロンドン貴金属市場協会の厳格な審査基準に合格した認定ブレンドとなっています。
「グッド・デリバリー・バー」に認定された地金は国際基準として品質が証明され、世界中で取引可能です。また、東京商品取引所や日本金地金流通協会の刻印がある地金も評価されています。
銀地金で資産形成をする2つのメリット
銀地金で資産形成をするメリットとして次の2つが挙げられます。
- 支払調書の対象外
- 盗難リスクが低い
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.支払調書の対象外
銀地金は産業・工業用目的の需要が高く、資産的にも低単価であるため現状、政府は銀地金を資産としてはあまり認識していません。そのため、金やプラチナが支払調書の対象であるのに対して、銀地金は支払調書の対象外となっています。
もちろん、銀地金で資産形成を行い、利益が発生した場合は確定申告を行う必要がありますが、税務署からの連絡は回避できます。ただし、税務関係は厳格に対応しなければなりません。
税務署からの追及リスクを抑えるのであれば、適切な対応について1度税理士に相談することをおすすめします。
2.盗難リスクが低い
盗難リスクが低いのも銀地金のメリットです。盗難されやすい理由としては「持ち運びにくい」「価値があるものと判断されにくい」「金地金より価値が低い」の3つが挙げられます。
現物資産として地金を所有した場合、所有量が増えるほど大きくかさばります。そのため、持ち運びしにくいです。
また、金地金が9,700円/g程度あるのに対して、銀地金は118円/g程度です。(2023年5月時点)つまり、金地金と同じ労力をかけて盗難しても、金額としては小さい商品であるため、盗難するメリットがありません。
また、銀は金やプラチナと違って色褪せたり、光沢がなかったりするため、価値があるもののだと判断されにくいです。100%盗難されないというわけではありませんが、他貴金属の地金と比べると、盗難リスクは低いといえるでしょう。
銀地金で資産形成をする際は売却イメージを持つことが大切
銀地金は現物資産であるため、売却する際は原則、売却先の店舗まで地金を持ち運ぶ必要があります。そのため、銀地金で資産形成をする際は、店舗で売却するのか、その場合は近隣に売却できる店舗があるのか、オンラインで売却するのかなど、売却のイメージを持つことが大切です。
購入方法の具体例として、ここでは次の3つを紹介します。
- 積立システムを活用する
- 100g×10個
- 1kg×1個
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.積立システムを活用する
積立システムとは、いわゆる積立購入のことです。ドル・コスト平均法によって安定した価格で購入でき、好きな重量を好きなタイミングで柔軟に売却が可能です。
オンライン売買のため、自身で保管する必要がなく盗難などのリスクがない他、スポット購入・売却といった売買手数料がかからないといったメリットがあります。一方、オンライン売買であることからオンライン上の専用口座を開設する必要があり、年会費と月額の口座維持費がかかります。
口座を開設する前にどれくらいの維持コストがかかるのかしっかり確認しておきましょう。
2.100g×10個
銀地金1kgを100gバー×10個で購入する方法です。売買手数料がかかる、購入量が多いほどバーの数が増え管理しにくくなる、売却時に店舗まで持ち込む手間がかかるといったデメリットがあります。
しかし、100gずつ小分けに購入しておけば、相場や必要に応じて、100gずつ売却できるメリットがあります。そのため、状況に応じて柔軟に売却し、リスク分散を図りたいという方におすすめの方法です。
3.1kg×1個
銀地金を小分けにせずに1kgバーの1個、購入する方法です。500g以上の地金を売買する際は、基本的に手数料はかからないため、無駄なコストを抑えて資産形成できます。
ただし、こちらの方法も現物投資となるため、売却時には店舗まで持ち運ぶ手間がかかります。また、100gずつ小分けにして売却できないため、前項で紹介した方法のように状況に応じたリスク分散が行えません。
そのため、購入後は長期間保有し売却する気はないという方におすすめの方法です。
銀投資について
銀投資とは、貴金属である銀を購入して値上がり益を狙う投資方法です。金やプラチナ、原油、ガソリンなどのコモディティ(商品)に投資する「コモディティ投資」の1つとしても数えられています。
銀投資には様々な方法がありますが、代表的な方法として挙げられるのは、銀そのものを購入する「現物投資」と、証券会社などで投資信託と同じように売買する「銀ETF」の2つです。
銀投資のメリット
銀投資のメリットとして次の3つが挙げられます。
- インフレへの対策
- 金よりも低価格で投資が可能
- 利益を得やすい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.インフレへの対策
新型コロナウイルスの流行やロシアのウクライナ侵攻などが要因となり、世界各国でインフレが加速しています。原油・小麦の高騰や半導体不足によって、電気代や食品といった値上げが相次ぎ、家計のやりくりが大変という方は多いでしょう。
一方、銀は産業・工業での需要が高いことから、インフレによって物価が高騰すれば、価格高騰しやすい傾向にあります。通貨が下落するインフレ時にこういった資産を持っていれば、インフレ対策に寄与できるでしょう。
2.金よりも低価格で投資が可能
銀は金よりも低価格であるため、低価格で投資できるのも銀投資のメリットです。過去5年間の価格は銀が1gあたり50~100円程度である一方、金は4,000~8,000円を推移しています。(2023年5月時点の価格は1gあたり銀が118円程度、金は9,700円程度)
このように銀は金と比べて非常に安価です。そのため、金を1g購入する金額を銀投資に回せば、約80~90gの銀を所有できます。
3.利益を得やすい
利益を得やすいのも、銀投資をするメリットです。純銀上場信託(現物国内保管型)の1口あたりの価格は過去5年間で4,800円~7,100円を推移しています。
一方、純金上場信託(現物国内保管型)の1口あたりの価格推移は過去5年間で、3,900~4,900円に収まっています。このように、銀は金よりも価格変動しやすい貴金属であるため、安く買って高く売れば、短期間で大きな利益を得やすいです。
銀投資を行う際の4つの注意点
銀投資を行う際の注意点として次の4つが挙げられます。
- 景気変動に注意する
- 産出国の経済動向を見極める
- インカムゲインは受けられない
- 価格変動が大きい
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.景気変動に注意する
銀投資を行う際は、景気変動に注意しましょう。銀は産業・工業での需要が高いことから、景気の変動を受けやすいといった側面があります。
そのため、産業・工業目的で銀を多く消費する日本やアメリカ、中国、インドが不況となった場合、工業製品の生産量が減少するため、銀需要が低下し、銀価格の下落を招きます。銀投資をする際は、景気動向をしっかりと把握し、購入タイミングを見極めるようにしましょう。
2.産出国の経済動向を見極める
銀価格は産出国の情勢によっても大きな影響を受けます。銀の産出国は中国やペルー、メキシコといった国々ですが、これらの国は経済情勢の変動が大きい国といわれています。
そのため、情勢次第では銀価格に大きな影響を及ぼすため、銀投資をする際は産出国の経済動向も注視しなければなりません。
3.インカムゲインは受けられない
インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる利益のことです。株式投資であれば配当金、不動産投資であれば家賃収入がインカムゲインに該当します。
一方、銀投資の場合は保有しているからといって上記のようなインカムゲインは受けられません。配当金や家賃収入などのインカムゲインを狙った投資を検討している場合、銀投資は適した投資手段ではないため、注意しましょう。
4.価格変動が大きい
価格変動が大きいことも銀投資の注意点です。価格変動が大きい分、利益を得やすいのが銀投資のメリットですが、一方で価格が大きく下落するリスクもあります。
投機資金が流入して、買い占めによる暴騰や暴落が起きることもあるため、そのあたりのリスクも念頭に置いたうえで投資を行わなければなりません。
銀とは?
銀とは、原子番号「47」、元素記号「Ag」の貴金属です。人類史に登場したのは、紀元前3000年頃と非常に長い歴史を持つ貴金属で、シルバー調の美しい輝きを放つことから、宝飾品や貨幣、銀食器の原料として使用されてきました。
宝飾品やジュエリーとしても使用される一方、現代は抗菌剤やフィルム材料、電子部品など、産業・工業製品をはじめとする幅広い分野で活用されている金属でもあります。
銀の代表的な種類
銀の代表的な種類として次の4つが挙げられます。
- SV1000・SV999
- SV950
- SV925
- SV900
それぞれ詳しくみていきましょう。
SV1000・SV999
SV1000とSV999は銀の純度が99.8%以上と、ほぼ100%の純度を誇る銀で、ピュアシルバーや純銀とも呼ばれます。純銀は銀の中でも非常に価値が高い種類ですが、工業・医療用品などの原料として用いられるのが一般的で、ジュエリーの原料として用いられることはほぼありません。
用いられない理由としては、柔らかくて重量があるため、ジュエリーとしては不向きであるためです。
SV950
SV950はブリタニアシルバーとも呼ばれ、純度95%の銀です。他の貴金属を混ぜ込んでいますが、含有率は5%以下であるため、SV100やSV999とほぼ同じ輝きと価値を誇っています。
また、銀の柔らかい性質も健在であることからジュエリーに使用されることが多い種類です。
SV925
SV925は「スターリングシルバー」とも呼ばれ、純度92.5%の銀です。
SV950と並んでジュエリーに使用される銀ですが、硬度があり、加工もしやすいことから、ジュエリーの原料としては最もポピュラーなものといわれています。
SV900
SV900は純度が90%の銀で、一般的に銀雑貨などの原料として使用されています。
SV950やSV925と比べると、銀の純度が低いことから、価値はあまり高くありません。しかし、硬度が高いことから、様々な分野で使用されています。
まとめ
銀地金で資産形成をするメリットをご紹介しました。代表的な現物投資としては金地金が挙げられます。
しかし、金は1gあたりの価格が高いため、保有量を多くするためにはまとまった資金を用意しなければなりません。価格変動が小さいことから、長期間の保有を前提とした投資であり、短期間で大きな利益は得にくいです。
一方、銀は1gあたりの価格が低く、価格変動が大きい貴金属です。そのため、「まとまった資金がないけど地金を購入したい」「ある程度の期間で大きな利益を狙いたい」といった方におすすめの投資方法といえます。
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